みどり備忘録

野生動植物、自然の中での営みがすきです。緑な写真と一緒に溜まって溢れる感情や思いを書き留めます。

クマゲラ残雪期調査 3/26〜29@北海道

f:id:yamagasuki26:20190401093300j:image

3/26〜29に北海道に行ってきた。クマゲラ残雪期調査のためだ。支笏湖黒松内の歌才、大沼などのブナ林を巡った。

クマゲラ自体は残念ながら目視することはできなかったが、本州ではもう見られないであろう真新しい採餌痕や今年絶対使うであろう営巣木、アリの頭骨が入ったクマゲラのフンも多く発見できた。

f:id:yamagasuki26:20190401094107j:image
f:id:yamagasuki26:20190401094103j:image

クマゲラの採餌痕は他のキツツキとは全く異なる。穴が円錐型ではなく、まるで船の底のような形をしている。クマゲラアイヌ語で造船の神「チプタチカムイ」と言われていたのも納得がいく。アイヌの人々はとてもステキな名前をつけてくれたなぁ。

f:id:yamagasuki26:20190401100012j:image
f:id:yamagasuki26:20190401100136j:image

そして、クマゲラののみ痕(嘴で木を削った痕)の幅は4㎜。話には聞いていたがなんせ見たことがなかったので4㎜かどうか確かめようがなかった。だが、やっと見れた。やっと!コンパスの目盛りで測ると見事に4㎜!!!おおぉぉおお!4㎜だぁ!これクマゲラじゃん!いるんだ!ここで確実に生息してる、生きてるんだ!フンに入ったたくさんのアリの頭骨。アリ食べてる!いっぱい食べてるぞーー!!感動した。本州のブナ林では痕跡すら見つからない、見つかったとしても過去の古いものばかりで、調査していてもあまり手応えがなく、正直モチベーションは下がってしまっていた。でも、真新しい痕跡を見つけることができて興奮したし、調査へのモチベーションも上がった。

 

営巣木もいくつか発見できた。ブナが多かったがギンドロなど、本州では絶対にありえない樹木にも営巣穴があった。北海道のクマゲラは図太いなぁ、たくましい…。一部には現在進行形で管理しているんだろうと分かるくらい新しい穴が見られた。本当に嬉しい。もしかしたらオスが帰ってくるかも!と夕方に2.3時間張り込みしていたが帰ってこなかった。(どこで夜遊びしているんだ…)

 

なにはともあれ、今回の残雪期調査はとても充実したものだった。これからは繁殖期調査!

たのしみ。