みどり備忘録

野生動植物、自然の中での営みがすきです。緑な写真と一緒に溜まって溢れる感情や思いを書き留めます。

クマゲラ残雪期調査 3/26〜29@北海道

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3/26〜29に北海道に行ってきた。クマゲラ残雪期調査のためだ。支笏湖黒松内の歌才、大沼などのブナ林を巡った。

クマゲラ自体は残念ながら目視することはできなかったが、本州ではもう見られないであろう真新しい採餌痕や今年絶対使うであろう営巣木、アリの頭骨が入ったクマゲラのフンも多く発見できた。

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クマゲラの採餌痕は他のキツツキとは全く異なる。穴が円錐型ではなく、まるで船の底のような形をしている。クマゲラアイヌ語で造船の神「チプタチカムイ」と言われていたのも納得がいく。アイヌの人々はとてもステキな名前をつけてくれたなぁ。

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そして、クマゲラののみ痕(嘴で木を削った痕)の幅は4㎜。話には聞いていたがなんせ見たことがなかったので4㎜かどうか確かめようがなかった。だが、やっと見れた。やっと!コンパスの目盛りで測ると見事に4㎜!!!おおぉぉおお!4㎜だぁ!これクマゲラじゃん!いるんだ!ここで確実に生息してる、生きてるんだ!フンに入ったたくさんのアリの頭骨。アリ食べてる!いっぱい食べてるぞーー!!感動した。本州のブナ林では痕跡すら見つからない、見つかったとしても過去の古いものばかりで、調査していてもあまり手応えがなく、正直モチベーションは下がってしまっていた。でも、真新しい痕跡を見つけることができて興奮したし、調査へのモチベーションも上がった。

 

営巣木もいくつか発見できた。ブナが多かったがギンドロなど、本州では絶対にありえない樹木にも営巣穴があった。北海道のクマゲラは図太いなぁ、たくましい…。一部には現在進行形で管理しているんだろうと分かるくらい新しい穴が見られた。本当に嬉しい。もしかしたらオスが帰ってくるかも!と夕方に2.3時間張り込みしていたが帰ってこなかった。(どこで夜遊びしているんだ…)

 

なにはともあれ、今回の残雪期調査はとても充実したものだった。これからは繁殖期調査!

たのしみ。

バッタリー村3/2〜3/3

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3月最初は岩手県久慈市のバッタリー村へ。

バッタリー村を利用、宿泊する人達のために、村にある古民家を定期的に片付け、掃除などの整備をして、バッタリー村運営をお手伝い。整備といっても特別なことはしないで片付けと掃除が終わったら、そり滑りをして夕ご飯を食べてお酒を飲んで、寝る。次の日はきこり。チェーンソーでコナラを玉切りして、シイタケを植菌。2〜3年後のシイタケが楽しみ。

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自分はバッタリー村は今回で2度目だが、電波が入らず、人や物が溢れている日常からちょっと離れた時間の流れがとても心地いい。

(帰ってきて、バッタリー村と下界とのギャップを感じてしばらくは無気力状態で元気がなくなる)

バッタリー村がある集落には6人しか暮らしていない。俗に言う限界集落。でもそこに暮らしている人たちは炭焼きをはじめとした農業、林業で生態系の一部になって暮らしているように私には見える。平日土日関係なく働いている。自分の芯を持って生きている人たちだ。と感じて自分も常に考えて、芯が何か問いながら、自分の譲れないものを持ち続けて働きたい、生きていきたいと思わされる。

 

私にとって、バッタリー村はただ楽しいだけではなく、生き方、社会との向き合い方、自分自身がどうありたいか、を考えさせてくれる場所でもある。

 

 

 

 

カモシカ調査2/22〜/24

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2/23.24に大学が所有する演習林でカモシカ調査2018が開催された。しかし、今年の調査はほんっとに大変だった。何が大変かというと、当日の調査よりも何よりも、事前準備。調査代表になった私は、前代表から資料を引き継いだ時から嫌な予感がしていた。重たい膨大な資料と、前代表のお言葉「ほんとに辛いよ…。自分1人でやらないで人を使いまくりな…。毎年、代表は何かしら体調を崩すから気をつけて…。」こんなことを言われてしまったら誰でもビビりますわ。

どうしよう、とんでもない役職を担ってしまったぞぞぞ。まあ、なんとかなるか…。やってみて、1番大変だったのは事務仕事。調査員には外部の方もいらっしゃる。ので、外部の方とのやりとりや、宿泊施設とのやりとり。お世話になる先生方とのやりとり。誰かに手伝ってもらいたいけど、1人の方が効率が良いので1人でやるしかない。言葉を選んで、相手を敬いつつ、自分の伝えたいことを文章に起こす。これが結構大変でちょこちょこストレスが溜まっていく。あー、電話で済ませたい…。

本番の2日前、急にカゼっぽい症状が。特に不規則な暮らしをしていたわけではないけれど、不思議だ。調査期間中も咳、鼻水、軽めの頭痛が続いた。これが代々、代表に伝わるという謎の体調不良か…。こわいこわい。

調査期間中は、メンバーに助けてもらいなんとか乗り切れた。カモシカも2頭目視、シカは3頭目視できた。目視ゼロの去年に比べるとなかなか良い結果だったので、ギリギリ報われた感じがした。

調査が終わると不思議と体調も回復に向かっていった。やはり、精神的なストレスから来たものだったようだ。病は気からというのをつくづく感じた調査だった。

 

今回の調査は、これまでの区画法に加え、地形や見晴らし、事前調査の痕跡の具合をみて一部の区画で追い出し法を実践。なかなか充実した調査だったし、シーバーの中継係も初めてだったが、先輩に教えてもらいながら、少しはできるようになって楽しかった。もう少し体調が良ければよかったけれど。

 

調査が終わっても調査報告書を作らないといけない。現場でのモニタリングだけでおわり!ではなく、分析、解析、考察までが調査なのです。

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もうひと頑張り。

 

7泊8日下北サル調査

記憶が新しいうちに、12月23〜30日に参加してきた下北サル調査について書こうと思います。

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今回が初参加、1年目。率直な感想は、すごく充実していて楽しかった、なぜ去年から参加しなかったんだろう…これからもずっと参加したい。という感じ。長期の野生動物調査への参加は今回が初めてではないだろうか。

 

現地のサル調査会の皆さん、学生、学生の頃から調査に参加してきた社会人などが調査メンバー。日頃から野生動物調査を仕事にしている方々も多くいて、将来を模索している自分にとってすごくいい刺激、勉強になった。

 

調査はテレメトリー、追い出し法でのサルの目視、カウントが目的。サルの動きによって、その日その日で、追いかけるサルの群れは異なるし、歩くルートも臨機応変に変えていく。調査から帰ってきたらすぐに報告書を書いて、大きな地図にも歩いたルート、サルの動きを書き込んで、夕食後に報告会。各班の報告を受けてまた明日のルートや作戦を決めていく。この作業を繰り返す。これが自分的にはとても楽しかった。参加初日は上手く対応できず、早く慣れなければ、と焦りもあったが、たくさん質問しても、皆さんとても分かりやすく、丁寧に説明してくれるので思っていたよりも早くに馴染むことができたかな?と思う。

 

自分は山歩きが好きな方だが、地図読みは自信がなく、今回の調査でひそかに「地図読みスキルを底上げする!」と目標設定していた。

藪漕ぎもしたかったので初日から歩きたいです!!!とアピール笑…。サル調査会のおじさまたち、きっと驚いただろうな…。ごめんなさい。でも、そんなアピールが効いたのか、山歩きのプロの方々と一緒に歩くことができた。

 

山歩きを本業としている方々はすごい。後ろ姿が頼もしくて、とてもかっこいい。すごくかっこいい。時々、立ち止まって、「ここがどこだか分かる?地図読みしてみようか」と地図読み。山を歩く時の景色の見方、コンパスの使い方など、全てを最初から教えるのではなく、私が考える時間を設けてくれたり。本当に充実した時間で、ずっと楽しかった。

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調査では楽しみがもう1つ。なんとお昼は焚火をするのです。燃料には困りません。そこら中に落ちている。朝作ったおにぎり2つ(筋子とシャケ)をアルミと新聞紙にくるんで持っていくのだが、それを焚火で温めて食べる。具は筋子なの!?あんなに連日筋子を食べたのは初めてだった…友達に言ったら、すごく笑ってくれました。パーティによって焚火は様々。焚火に命をかけているおじさまと一緒になると、ベーコンやらマシュマロやらコンポタやらカップラーメンやら…お腹いっぱいで午後の調査へ。

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サルの食痕も初めて見ることができた。サルは冬芽を手元を見ないで食べるそうで器用だなぁと感心してしまった。これは確か…マタタビかサルナシか…忘れてしまった。この通り、冬芽の知識不足である。冬芽とか樹皮とか、冬季でも樹木を同定できるように勉強だぁと改めて思った調査でもあった。

 

長々と書いてしまったが、まとめると。

サル調査のおかげで地図読みが好きになったし、調査から帰ってきても地形図をぼんやり眺めてしまう。それに、将来の選択肢も増えた。

今までは林業や環境教育に関わりたいと思っていたが、サル調査でたくさん歩いて、色んな人のお話を聞く中で、生態屋さんもいいな。と思った。

これからインターンで色んなところに行って自分のやりたいこと、向いてることを探していこう!と前向きにもなれた調査でした。おしまい

ブログ開設

岩手県の大学に進学して2年目。だいぶ生活にも慣れてきたし、勉学、サークル、バイトと無理やりでも充実させている。学生生活はとても楽しい。一方で、いろんなことをやり過ぎて、両立がなかなか難しい、忙しい。最近、精神的にも余裕が無くて、自分を見つめる時間が減ったように思う。

自分を見つめる時間、振り返る時間が欲しい!とブログをやってみることにしました。

それに、以前から祖母には何度も「何か体験したら、感じたことを書き留めておくといいよ」と言われていたので、ちょうどいいかなと。

 

ブログは初めてで、慣れないし、変な文章になってしまうかもしれないけれど、日々の生活で感じたことや、何かを経験して感じたことをのんびり書き留めてみます。